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今やビールは清涼飲料水である。
という説も出るくらいに日本人の食生活に深くかかわりあいをもっている。
ではこのビールの渡来はいつかというと、オランダ人との接触によってもたらされたものといわれている。
オランダもつとも古い文献に出ている記録は、享保九年(一七二四)の「和蘭問答」に出ている一節であろう。
そのなかでこれは一ノ関の藩医建部清庵と蘭法医杉田玄白とのあいだで交された手紙の集録で、
「酒は葡萄にて作り申候。また麦にても作り候。麦酒絵見候処、 殊の他亜敷物にて、何の味わいも無御座候。名をびいると申候」
と記されている。
「ビールを飲んでゑたが、ことのほかわるく、なんの味もしなかった」
というから、ビールの製造方法が今日とはまったく違っていて、保存方法が悪かったのか、
すし屋などで、「あがり一丁!」と威勢のいいニイサンがお茶を出してくれるが、実はこれ、遊廓で使われた廓ことばのひとつ。
遊廓の店に客が上がったところへ出すので「上がり花」といった。
お茶ということばは、お茶をひくことに通じるので、これをきらったからだ。
その「上がり花」を略したのが「上がり」の語源である。
なにしろ天正十七年(一五八九)、京都・二条柳町に豊臣秀吉が遊里を許可して以来、
昭和三十三年(一九五八)の”赤線消灯″まで三百七十年間もつづいた特殊地区の遊廓のこと、特殊閑語もイ画イ・と。
そのいくつかを並べてみるとI.ひけⅡ花魁の終業時刻でふつうは午前二時。おひけふとん。
「おひけを入れてくれ」といったら、ふとんを敷いてくれ。ひきつけ=客と花魁が顔を合わせる部屋。
縁起棚=神棚。遣手=客と花魁とのあいだをとりもつ婆さん。御内所=楼主(店主)の部屋。
おみせ=妓楼(店)の玄関にがんぱっている男、いわゆる牛太郎。
かん部屋Ⅱ客と寝る部屋ではなく、花魁たちがザコ寝する部屋。
おてもと=箸。甚助=しっとぶかい客。おてもと、上がりなど、
当世なにげなく口にする人びとが多いけれど、もとはといえば廓ことばだったのを、
お嬢さんや家庭の主婦はご存知あるまい。
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